なんとなく察したよ。
先輩って、ぜったい女の子にモテるタイプだ。
うん、容姿からしてモテモテオーラ全開だからわかってたことだけどね?
見た目は王子様みたいで、おまけに話すのもうまいし。
「まあ、仲良くお話しするのはこのへんにしておこっか?早く僕の相手してほしいな、陽依ちゃんに」
「あ、相手って何すればいいんですか?話し相手ってことじゃ……」
「ふっ、まさか。さっき僕が何してたか、覗いてたじゃん」
「の、覗いてたわけじゃ」
「つまり、そーゆーことしよって誘ってるんだよ?」
じわじわと距離を詰めて、身体を後ろにちょっと下げたら、先輩が前のめりで詰めてくる。
「そ、そーゆー、こと……って」
「あれ、もしかしてわかんない?」
にこっと笑って、なんでかわたしの唇を指でふにふにしてくる。

