「ここってさ、誰も来ないし邪魔されない場所なんだよね」
「は、はぁ……」
「さあ、どーぞ。僕の隣に座って?」
な、なんでこんなところにソファがあるの!
本棚しかなくて気づかなかったけど、入り口からかなり奥に入ったところに隠れ部屋みたいな……。
ソファとそばにテーブルが置かれてる場所が。
にこにこ笑ってる先輩が慣れた感じで座って、なぜか隣に座ってって促されるし。
「あ、そういえば自己紹介してなかったね。キミの名前も教えてほしいから、少しお話ししよっか」
えと、さっきまでこの先輩、ものすごく大人なキスしてた…よね。
それなのに、急にわたしとお話ししようなんて、どういう気の変わりようですか!
「あれ、もしかしておびえてる?」
「うっ、えと……」
「大丈夫だよ。ほら、僕そんな悪そうな男に見える?」

