若干パニックになってる間に、なぜか女の人はプンプン怒りながら出ていっちゃったし!
わたしはなぜか王子様と残されてしまって。
「さて、2人っきりになれたね?」
「ひぇ、あの……っ」
「ん?あれ、また顔が赤くなってるね、どうして?」
「やっ、その……距離が…近いから……です」
初めてかもしれない。
瑞月くん以外の男の人に、こんな至近距離で見つめられて触れられるの。
「恥じらってる姿っていいね。キミみたいなタイプ、あんまりいないから可愛がるのたのしそうだね」
何も悪くなさそうに、さっきからにこにこ笑ってるけど、距離は相変わらず近いし。
「……こっち来て、僕の相手してくれる?」
「あい、て……?」
え、わたし何かさせられちゃうの?
よくわからないまま、なぜか資料室を出ずに奥のほうへ。

