急に手をつかまれて、おまけに衝撃的なことに抱きしめられちゃって。
甘い……ムスクの香りがして。
「今日はキミにしよっかな、相手してもらうの」
「へ……っ」
なぜか抱きしめられたまま、頭をポンポン撫でられちゃって。
「ごめんね、なんか今日はキミの気分じゃなくなったから。また今度ね」
「え〜、何それ久城くん気分屋すぎ〜」
「僕が気分屋なのはいつものことでしょ?」
「まあ、そうだけどぉ!」
「だからごめんね。今からこの子を可愛がることにしたから」
「んー、もうほんとに扱いひどいんだから!久城くんいつか女に恨まれて刺されても知らないから!」
「ははっ、たしかにそれはあるかもね」
う、恨まれて刺されるって、なんか目の前で恐ろしい会話が繰り広げられてるんですけど!
というか、なんでわたしはここから出られないの!?

