どうやら男の人のほうに見つかってしまったみたいで、パッと顔を上げると。
「……どーしたの、そんなおびえた顔しちゃって」
「ひぇっ……」
クスクス笑ってる……目の前の人は大げさかもしれないけど、まるで王子様みたい。
サラサラした明るい髪色に、ぱっちり綺麗な二重。顔のパーツどこを見ても、欠点がなくて。
ほんとに完璧っていうか、ベタな例えだけど白馬の王子様みたい。
真っ白のカーディガンに、きちんと絞められたネクタイ。
ネクタイの色を見て、先輩……つまり、3年生だってことがわかる。
笑った顔は、ほんとに優しそうで、これは間違いなく女の人にモテそうな容姿。
「……あれ、僕の顔に何かついてるかな?」
「ひゃっ……」
ボーッと見惚れてたのがいけなかった。
気づいたら、とっても綺麗で整った顔がほぼ目の前にあった。

