「あっ、ぅ……ごめんね」
むくっと顔を上げて、瑞月くんを見た。
……ら、表情が歪んでた。
おまけに、ため息をついて。
「いたっ」
軽いデコピンをおでこに食らいまして。
「ねー、ひよ。俺、言ったよね。煽んなよって」
「う、うん」
「んで、さっそく約束破ってんの?」
部屋着の首元の部分をグイッと引っ張ってくる。
「……部屋着、どう見たってアウト」
着てるものはオーバーサイズのスウェット。
ダボっとしてるから、部屋着としてはゆるくて抜群に優れてるんだけど。
どうやら、これが瑞月くん的にアウトらしい。
「胸元……開きすぎ」
「へ……っ?」
「なか、見えそう。ってか、ほぼ見えてる」
「っ!?」
あぁぁぁ、いけない。
パッと目線を自分の胸元に落とせば、身体の重心が転んで前にいってるせい。
瑞月くんの言うとおり、胸元がほぼ見えちゃってる状態。

