「僕ってさ、けっこう諦め悪いから。まだ陽依ちゃんへの気持ち吹っ切れてないかもよ?」
耳元で至近距離で、わざとささやくように堕としてくる。
危険センサーがすぐに反応して、パパッと先輩と距離を取った。
「わー、傷つくなぁ」
「あ、あんまり近づくのダメです!」
「陽依ちゃん急にガード固くなったね。瑞月クンにしっかり教育されてる証拠だね」
相変わらずにこにこ笑顔の先輩。
というか、そろそろ探してる女の子たちもどこかに行ったんじゃ?
いつまでもこんなところにいたら、そのうち瑞月くんからどこにいるかとか連絡来ちゃいそう。
もうそろそろ行きますって先輩に言おうとしたら。
「おまけに独占欲の強さも人一倍だね。こんな目立つ場所にキスマークなんかつけてさ」