「そりゃ、サプライズなんだからバレてたら意味ないでしょ?」
「そ、それはそうだけど……!」
ふと、紙袋に目線を向ければアルファベットで書かれた見覚えのあるブランド名。
「あ、これ……瑞月くんが使ってる香水のブランド?」
「……よく覚えてるじゃん。ひよが俺の香水好きって前に言ってたから」
「えっ、じゃあ瑞月くんとお揃いの香水くれたの?」
いつも瑞月くんがそばにいると、ふわっと香る柑橘系の匂い。
瑞月くんにピッタリの匂いで、いつか自分も同じ香水使えたらいいなぁなんて思っていたから、まさかプレゼントしてもらえるなんて。
「そーだよ。嫌だった?」
「い、嫌なわけないよ!すっごくうれしい……!ほんとにありがとう……っ」
「これでひよは俺のものだね」
「うぅ、ずっと瑞月くんだけのものだよ……っ」
もちろん瑞月くんもわたしだけのものでいてくれなきゃ、やだよって胸の中でこっそり思った。