ルンルン気分でキャンドルを購入。

ポッと火が灯って、タワーのそばに近づいて空いてるスペースにそっと置いてみる。


「きれいだからずっと見てられるねっ」


わたしが1人でキャンドルたちに夢中になってると、真横にいたはずの瑞月くんがいなくなってて。


あれ?どこ行っちゃった?と思ったら。
後ろから温もりにギュッと包み込まれた。


「ひぇっ、みつくんここ街中だよ……!」

「ん、知ってる」


人通りはそんな無いけど、こんな場所で抱きしめられたら目立っちゃうよ。


慌てるわたしを差し置いて、マイペースな瑞月くんは突拍子もないことを言ってくるの。


「ひよ、手出して」

「え?」


抱きしめた次は手を出してって。

何かと思って、右手をパーにして広げたら。


スッと手首に何かがかけられた。


ぶら下がってるのは小さな紙袋。
でも、ちょっとだけ重たいような。