「わ、わたしいま夢の中にいる……?それとも、目の前にいる瑞月くん幻とか……っ?」
「……ほら、頬引っ張ったら痛いでしょ」
「う……いひゃい」
「それに俺は幻じゃないし。ちゃんと陽依の前にいるじゃん」
ゆっくり身体を離して、そのままおでこをコツンと合わせて見つめてくる。
「じゃ、じゃあ……瑞月くんが好きって言ったのほんと?嘘じゃない……っ?仮の彼女として好きだよとかだったら泣いちゃうよ……っ?」
「どんだけ疑り深いの。そんなに俺の言うこと信じられない?」
「だって、だって……っ」
続き、喋れなかった。
だって、瑞月くんが優しく唇を塞いできたから。
「……俺はこんなに陽依でいっぱいなのに?」
「うぬ……っ」
不意打ちのキスはずるい。
久しぶりに瑞月くんに触れられて、心臓がドクンドクンうるさいくらい音を立てるの。

