最後の言葉は、自分でもびっくりするくらい弱くて、か細かった。
こんなにたくさんわがまま言って、もう見放されちゃうかもって。
わたし階段から落ちてケガして、おまけにまた瑞月くんに振られたら胸も痛すぎて、ある意味死んじゃうよってくらい。
「……好きだよ、陽依」
ほら、また振られちゃっ……え?
あれ、あれれ。
なんか突然、瑞月くんに告白されたようなセリフが聞こえてきたような。
あれ、今のは幻聴……?
「俺だって……陽依のこと好きで仕方ない。死ぬほど手放したくないのに」
「……うぇっ、?」
うそうそ。
こんなあっさり好きって言う……?
「ほんとは……陽依のお父さんに認めてもらうまで言うつもりなかったけど。もうここまできたら言うしかないよね」
「うそ、うそ……、ほんとに……っ?」
わたしもしかして階段から落ちたまま、ほんとはまだ目が覚めてなくて夢の中にいるんじゃ。

