身体は痛いはずなのに、瑞月くんのこと抱きしめずにはいられなくて、ゆっくり腕を動かして瑞月くんの背中に回す。
「みつくんは、ずっとわたしのそばにいてくれたよ……。でも、避けられちゃったのは悲しかったよ」
「……ごめん」
「お母さんからね、話聞いたの。お父さんと約束してたことあったんだね」
少しだけピクッと瑞月くんの身体が動いた。
「わたし何も覚えてなくてごめんね。瑞月くんばっかり、いろいろ抱えて約束守ろうとしてくれて」
「それは、陽依は何も悪くない……から。それに俺は陽依のお父さんと約束してたことも守れてない。俺が陽依のこと守れるくらいに成長するまで、陽依と幼なじみ以上の関係になるの禁止されたのに守れてないし」
「そ、そんなこと、もう気にしなくていいのに……っ」
お母さんが言ってたように律儀な瑞月くんは、やっぱりこのことを気にしていたんだ。

