「はぁ……っ、目覚めてよかった……」
こんなに、瑞月くんの表情が崩れてるのは初めて見たかもしれない。
心配して、今にも泣きそうな表情から、わたしとしっかり目が合えば安堵の表情を見せて。
今もまだベッドに横たわるわたしを、優しくそっと抱きしめてきた。
「みつ、くん。どうしたの、そんな悲しそうな顔して」
「陽依が……階段から落ちて救急車で運ばれたって聞いて冷静さ完全に失った……」
瑞月くんの声と、抱きしめる腕がこれでもかってくらい震えてる。
「また、俺が陽依のこと守れなくて。陽依にケガさせて、ほんとに俺昔からなんにも約束も守れなくて、誰よりもそばにいるのに、陽依のこと守れなかった……」
「そんなこと、ないよ……っ」
お願いだから、もう瑞月くんは自分のこと責めるのやめてほしい。
それに、いつもわたしのそばにいてたくさん守ってくれたよ。
それは、誰よりもわたしがいちばん知ってるから。

