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次に目が覚めたとき、真っ先に飛び込んできたのは真っ白な天井だった。
まだ意識がはっきりしてなくて、自分がどこにいて、何があってこの状態になってるのか理解が追いついていかない。
ベッドに横になって、おまけに鼻にツンとくる病院独特の匂い。
あぁ、わたし病院に運ばれた……?
そういえば、階段から落ちてきた女の子を助けようとして自分まで落ちちゃったんだっけ……?
一瞬、意識が飛ぶ寸前に、わたしこのまま死んじゃうのかな……なんて、不吉なことが頭をよぎったけど。
とりあえず生きててよかったって。
まだ身体と頭に鈍い痛みがあるけど。
うっすら目を開けたまま、ベッドの横を見たら。
「陽依……っ!」
焦った声と。
とても心配そうで、焦った顔をした
「みつ、くん……?」
瑞月くんがいた。

