ひょいひょいリズムよく階段を上って。
もちろん、ちゃんと手すりにもつかまって。
自分自身が落ちなきゃ問題ないって、油断してたのがいけなかったのかもしれない。
「わっ……、きゃぁぁっ!」
ほんとに突然。
上から小学生くらいの女の子の叫び声が聞こえて、反射的に顔を上げたと同時。
わたしの少し前で、階段を上ってた女の子が足を踏み外したみたいで。
身体が重力に逆らえないまま、わたしのほうに向かって落ちてくるのが見える。
え、あっ、うそ……。
こんなことある……?
自分は大丈夫でも、まさか他の人が上から落ちてくるなんて想定外オブ想定外。
こ、これは自分の身を守るのは無理だし、かと言って落ちてくる女の子も助けなきゃいけない。
グルグル悩んでる時間なんかまったくないから。
とっさに、女の子を受け止めるために身体が動いた。

