「瑞月はわたしが起こしてもぜったいに起きてくれないから困っちゃうの。でも陽依ちゃんの声だったらすぐに起きてくるから〜」


「えへへっ、そうですかねっ」


「そうよ〜。だって、瑞月は陽依ちゃんのことだいすきだもの〜!」



だいすき……かぁ。

それはどうかな。


わたしは好きだけど、たぶんこの気持ちは一方通行みたいなところあるから。


だから、何も言えなくてにこっと笑い返して、階段をスタスタのぼってく。


そして、つきあたりの部屋の扉を遠慮なく開ける。



もう起きなきゃいけない時間なのに、目を少し奥に向けると、ベッドが少し山になってる。



そう、今ここでスヤスヤ寝てる男の子。


わたしの隣の家に住んでる幼なじみ……相沢瑞月(あいざわ みつ)くん。


瑞月くんは小さい頃からずっと一緒。

なんなら産まれたときから一緒。