「もちろん、瑞月くんのしたことは陽依のことを想ってしたことってお母さんたちはわかってたんだけど。お父さんだけがどうしても納得しなくてね」
「そ、それでお父さんは瑞月くんに何か言ったの？」
「約束……って言ったらいいのかしら」
お父さんと瑞月くんとの間での約束。
これから幼なじみとして必ずわたしのことを守ること。
わたしを危険な目に遭わせるようなことは二度としないこと。
そして。
「たとえ陽依のことが好きでも、想いを伝えるのはダメだって」
「な、何それ……。なんでそんな勝手なこと決めるの……！」
「落ち着いて陽依。当時のお父さんも自分の大切な娘が危ない目に遭って気が動転してたのよ。だから、瑞月くんに対して陽依をきちんと守れるくらいに成長してからじゃないと想いを伝えるのはダメだって言ったの」
「だ、だからそれは瑞月くんは悪くないじゃん……！」
