瑞月くんと天木くんが言い合いしていたら、ホームルーム開始のチャイムが鳴った。


すると、幸花ちゃんが耳打ちで。


「やっぱり相沢くんは陽依ちゃんのことだいすきだよね。取られたくないって感じがすごく伝わってくるもん」


「そ、そうかな」


「うんうん。だから陽依ちゃんも、もっと自信持って攻めちゃっていいと思うよっ」



なんて、幸花ちゃんは言ってくれるけど。


もし、瑞月くんがわたしのことをただの幼なじみでしか見ていなかったら。


想いが一方通行なのが、怖いって思ってしまうわたしはどこまでも臆病だから。



***



「陽依ちゃん、ごめんね!わたし体育委員で先に行かないといけなくて!」


「あっ、うん。大丈夫だよ!」


3時間目の授業は体育。


幸花ちゃんはささっと着替えをすませて、先に体育館に行ってしまった。