でも、これ以上はぜったいしちゃダメ……。

無いに等しい力で、瑞月くんの身体を押し返した。


そしたら急に、瑞月くんが我に返ったようにハッとした顔を見せた。


こんなに余裕のない瑞月くんを見たのは初めて。


「みつくん……?」


瞳にたまってた涙がツーッと目尻を伝って、視界がボヤッとしてる。


すると、急にガバッと浴衣を元に戻されて、おまけに布団も被せられた。


そしてすぐにわたしの上からどいた。



「……ごめん。ちょっと……いや、かなりやりすぎた」


珍しく余裕のない瑞月くんが頭を抱えて謝ってきたからびっくり。



「……ほんとひよを目の前にするとブレーキのかけ方わかんなくなる」


「え、えっと……」


「ここまでするつもりなかったんだけど、ひよの可愛い声聞いてたら抑えられなかった」


はぁ、とため息をついて、いつもの瑞月くんらしくない。