すぐそばに2人がいるっていうのに。
わずかに触れて、惜しむように離れていった。
ちょっと伏せた目で、ニッと怪しく暗闇に浮かべた笑みが見えて。
「……ひよが可愛いこと言うから」
「な……っ、ぁ、ぅ……」
ボッと音を立てて、一瞬で顔が赤くなったような感覚。
不意打ちの可愛いとキスは心臓に悪いどころじゃない。
瑞月くんからのキスは、どんなときでも一瞬でわたしの心拍数と体温をグイーンと一気に上げてく。
慌ててうちわで顔を隠そうとしたら。
「ダメだって。ひよの可愛い顔見れなくなる」
わたしたち2人だけの空間じゃないのに、瑞月くんがそういう甘い雰囲気にもっていこうとするから。
「そこのお2人さん。そういう甘々な雰囲気は部屋に戻ってからにしたらどう?特に瑞月は人前なんだからちょっとは抑えたら?」
「はぁ……薫ってほんといい雰囲気ぶち壊すの得意だね」

