独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。




***


「……さん」

「……」


「あ……やせさん」

「……」


「綾瀬さん!!」

「へ?」


ハッとして、時すでに遅し。


名前を呼ばれてたことにすら気づかなくて、そもそも今が授業中だってことも頭から抜けてて。


ボケッとしてたら、ほぼ目の前にお怒り気味の先生の顔が。



「さっきから何度も名前を呼んでましたけど」

「あ、すみません」


「それで、この問題すぐに解いてくれるかしら」

「え……」


どうやら、問題をあてられたみたいで。

でも授業なんかほぼ書いてなかったわけで。


そもそも今が何の授業なのかもわかってないほど、今日のわたしは絶不調。


おまけに机の上に出てる教科書を見て、先生から盛大なため息が。


「綾瀬さん。今は英語の授業ですけど。そんなに数学の勉強がしたいのかしら?」


1時間前に使ってた数学の教科書が机の上に乗ったまま。