独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。




月希先輩は優しいのか優しくないのか。

優しそうな見た目はぜんぶ仮面のような気がして。


「陽依ちゃんからキスしてくれたら返してもいいよ?」


ほら、笑顔でこんなこと言うんだから。


「む、無理です……。冗談やめてください」


「僕が冗談言うように見える?けっこー本気なんだけどなあ」


「せ、先輩さっき助けてくれて優しかったのに、キャラ変わりすぎじゃないですか」


「ふっ、そうかな?これが本来の僕だよ?」


にこっと笑いながら、わたしの髪にスッとキスを落としてくる。

慣れた手つき。


「でも、僕は陽依ちゃんの気持ちを無視して無理やり襲いかかったりはしないって約束するよ」


紳士っぽく言ってるように聞こえて、やってることは全然紳士じゃない。



「ち、近いです……っ」

「わざと近づいてるんだよ」


こっちが引いても、引いた分よりもっと攻めてくる。