「だって、わたしが朝起こしに行かないと瑞月くん起きてくれないんだもん!」


「はいはい。陽依はほんと瑞月くんがだいすきなのね〜」


若干呆れた様子のお母さん。

でもね、だいすきは否定しないよ。


だってだって、小さい頃からずっとこの気持ちは変わらないから。



***



家を飛び出して30秒くらい。

いちおうインターホンを鳴らして隣の家へ。



「あら、陽依ちゃんおはよう〜!」

「小夜さんおはようございます…!」


玄関に入ったら、小夜さんがお出迎え。


「いつもごめんね。瑞月のこと起こしてもらっちゃって〜」

「いえいえ、そんな!」



小夜さんは、ほわーんとした雰囲気でいつもにこにこ笑って、朝からわたしが押しかけてきても嫌な顔せずに受け入れてくれる。


とても優しくて、可愛くて。
性格もおしとやか。