わたしが先輩のそばにいくと、拘束してた男の人の腕をあっさり解放して。
「今回は見逃すけど。次、僕の彼女にこんなことしたらタダじゃすまないから」
最後に月希先輩がそう言うと、2人組は悔しそうな顔をして足早に去っていった。
「さて、大丈夫だった?何もされてない?」
「っ……、」
まだ怖さが残ってるせいで、うまく声が出ないし、安心したせいか涙がたくさん出てくる。
「怖かったね。いいよ、無理して話さなくて」
優しい声のトーンで、安心させるように背中をさすってくれる。
月希先輩が助けてくれなかったら……って、考えたらとても怖くて。
同時に今こうしてそばにいてもらえて、安心して。
いろんなことが重なりすぎて、ついに自分の身体を支えられなくて。
「……っと。大丈夫?」
膝が震えて、うまく力が入らなくて月希先輩のほうへ倒れ込む。

