そんなことないのに、嘘ばっかり。
でも、今は言い返すこともできなくて。
「だからー、いったん彼女のこと俺らに貸してくんない?優しくするからさー?」
肩を抱かれて、月希先輩から引き離されてしまう。
このまま先輩が何も言わずにここを去ってしまったら。
助けてって、声を振り絞って伝えようとしたら。
「……何言ってんの。いいから、その子のこと離してくれない?」
声色が一気に変わった。
いつもの優しい声とか口調が崩れてる。
「いや、だからーこの子が誘ってきたわけで」
「僕は頭の中が空っぽで、話にならないような相手に時間割くことは無駄だと思ってるんで」
「はぁ??お前あんま調子乗ったこと言ってんじゃねーぞ?」
片方の男の人がカッとなって、月希先輩の胸ぐらをつかんだ。
「調子乗ってんのはどっち?話通じないならケーサツ呼ぶけど」

