「ちゃんとしたこと話してくれないと変な噂流しちゃうけどいいのかな?」
「へ、変な噂……?」
月希先輩の表情からして、ぜったい何かよからぬことを考えてるに違いない。
そして予感的中。
「僕が陽依ちゃんに言い寄られて困ってるっていろんな女の子に言っちゃおうかな」
「へ……へっ!?」
いや、いつわたしが先輩に言い寄った!?
むしろ、先輩のほうがガツガツ攻めてくるじゃん!
「いいのかなあ。僕が噂を流したらあっという間に女の子たちに袋叩きにされちゃうよ?」
「ま、待ってください!かなり語弊があると思うのですが!そ、それにそんな噂誰も信じないんじゃ」
すると、月希先輩は勝ち誇った顔で。
「あのね、僕が流せばみんな信じるの。たとえ陽依ちゃんが否定したところで、信じてもらえるのは僕か陽依ちゃんどっちだと思う?」
か、勝ち目なし。
そりゃ、圧倒的に月希先輩の言うことをみんな信じちゃうだろうって。

