しまった、しまった。
たしか先輩にそこまで話してしまってたんだ。
「瑞月くんはたしか陽依ちゃんのこと恋愛対象として見てないとか言ってたよね?どういう風の吹き回しかなってね」
「や、えっと……それにはいろいろ事情がありまして」
周りの人……幸花ちゃん以外には仮で付き合ってることは内緒にしてるけど。
月希先輩にバレたらなんだかいろいろ厄介そうな予感がする。
だからうまくごまかさなきゃいけないのに。
「その事情ってやつ教えてほしいなあ。僕いちおう陽依ちゃんの彼氏候補だったでしょ?」
「えぇ!?受け付けた覚えないです!!」
「ははっ、それは傷つくなあ。今の陽依ちゃんの反応からして本気で付き合ってるわけじゃなさそうだよね?」
ギクリ……。
月希先輩って温厚そうな見た目なのに、鋭いところを突いてくる。
いつの間にか、お勉強の時間は終了。

