「さて、それじゃ勉強始めよっか。ちゃんと教えないと僕も怒られちゃうからね」
「よ、よろしくお願いします」
こうして、月希先輩に勉強を教えてもらうことになって。
意外と……って言ったら失礼かもだけど、真剣にきちんと教えてくれる。
しかもめちゃくちゃわかりやすい。
さすが先生が認めるくらい、成績がいいだけのことはあるなぁって。
これならなんとか再テストも合格しそうだなぁって呑気に勉強ができたのはここまで。
「ねー、陽依ちゃん」
「なんですか?」
「さっき教室で陽依ちゃんの彼氏って言ってた彼。ほんとに彼氏なの?」
「うぇっ??」
問題集に真剣に取り組んでるっていうのに、まったく関係ない話題を振られて間抜けな声が出る。
おまけにまたしても、核心をつくようなことを聞いてくるから。
「彼、陽依ちゃんが前に片想いしてるって言ってた幼なじみの瑞月くんでしょ?」
「うっ……」

