「……奪えるもんなら奪ってみろよ」
「すごい威勢だね。じゃあ、僕も遠慮なく攻めさせてもらうから」
パッとわたしの手を取って、瑞月くんに見せつけるように月希先輩のほうへ抱き寄せられて。
「悪いけど。これから2週間、陽依ちゃんの放課後はぜんぶ僕がもらうからね」
えぇぇ、それ言っちゃうの!?
こっちはどうやって隠そうか考えてたのに、水の泡だよ!
「……ジョーダンやめてもらえません?」
「僕は冗談を言う主義じゃないよ?それに、これは先生からの頼まれごとでね。陽依ちゃんの勉強を2週間みてほしいって」
ギロッと瑞月くんがわたしを睨んだ。
「……ひよ。どういうこと」
「え、えぇと……テストの点が悪くて…」
「悪いのはいつものことじゃん」
「うっ、そうなんだけど」
若干、地味にグサっときたけど。

