ずっと隣で黙ってた瑞月くんが口を開いた。
怒りを抑えてるみたいな口調。
「キミは、たしかこの前に食堂で会ったときも陽依ちゃんの隣にいたね?」
余裕で交わす月希先輩。
「……そうですけど。先輩こそ、ずいぶん陽依に馴れ馴れしいんですね」
瑞月くんが珍しく"ひよ"って呼んでない。
「まあね。最近すごく仲良くなったし、気になる存在だからね」
「へぇ……。気になるっていうのは、どういう対象なんですか?」
「もちろん恋愛対象だよ。こんなに反応が可愛い子が新鮮でね。ぜったい堕としたいと思ってるし、いずれ僕のものにするつもりだから」
「まあ、陽依が可愛いのは俺のほうが知ってますけど。ってか、堕としたいとかやめてもらえません?陽依は俺のものなんで」
周りの視線なんてお構いなし。
みんな瑞月くんと月希先輩のバチバチの会話をシーンと静かにして聞いてる。

