こ、この声……聞き覚えあるような。
えっ、そんなまさかまさか。
近づいていくと、段々と鮮明に見えてくる先輩の顔。
「僕待ちくたびれちゃったよ」
「なななんで月希先輩が!?」
相変わらずの王子様スマイルで、呑気にこっちに手を振ってる。
「なんでって、陽依ちゃんの勉強をみてあげるためだよ?」
「いやいや!!!月希先輩はお求めじゃないです!」
「えー、それは傷つくなあ」
だってだって、先生が言ってるイメージと月希先輩がマッチしないもん!!
「ひ、人違いじゃないですか!大谷先生はすごく真面目で成績トップの人が教えてくれるって!」
「うん。だからそれが僕だよねって」
「うぇぇぇ!?」
「そのリアクション失礼だね」
月希先輩って、イケメンな上に頭も良くて、先生からも信頼されてるって。
ど、どれだけハイスペックな人なの!

