いったいどんな先輩が勉強教えてくれるんだろう?


大谷先生から聞いた話だと、真面目で誠実で、頭が良くて。

おまけに先生からの信頼も厚いんだとか。


となると、めちゃくちゃ真面目なピシッとした人が待ってるのかもしれない…。

厳しい人かなぁ…。


ちょっとだけ不安になりながら到着。


扉を横にスライドさせて、中を覗き込んだら誰もいない…ような。


まあ、そもそも放課後の図書室なんて人の出入りまったくないだろうし。


テスト期間中とかは利用してる人いるけど、みんなもうテスト終わって、夏休み気分で浮かれてるだろうし。


わたしも、本来ならその浮かれてる組に入ってるはずだったのに!


とほほ……と、落ち込みながら中に入ってみたら奥の机のほうに誰かいる。


向こうもわたしの存在に気づいたみたいで。



「あ、やっときたね。待ってたよ、陽依ちゃん」