お隣さんは裏アリ王子

私は、そっぽを向いて体で隠したカバンからスマホを出す。


さっき会話で聞いたカラオケ店の名前と助けを求むメッセージ。


そして、私の隣にはキャリーケースが積まれてるから、何かに使うはず。


そういう手がかりをLINEで送信した。


しばらく車が走ったと思う。


「これの中、入れ」


そう言われ、出されたのはやっぱりキャリーケース。


大人しく入るしかなくて、その中で縮こまる。


蓋が閉められ、それが持たれてるのがわかる。


私、これから何されるんだろう。


カラオケとかもう歌う気絶対ないじゃん。


指定された部屋に着いたらしく、キャリーケースが開けられる。


「そんなに怯えないでよ。悪いようにはしないからさ」


「ちょっと痛いかもしれないけどね」