お隣さんは裏アリ王子

でも、今日はいつもと違った。


いつも一人で来てるその人がもう一人連れてきてるみたいで、2人いた。


もう一人の人は、見るからにチャラそうで二十代半ばって感じ。


「真奈ちゃん、今日湊君いないんだ。だから接客一人でお願いできるかな」


店長さんが申し訳なさそうなのは、あのお客さんのことを知ってるから。


「大丈夫です。今日は終わりまでいたほうがいいですか？」


「いや。湊君、真奈ちゃんの時間延長がないように来てくれるらしいから、心配しないで」


「わかりました」


湊さん、ありがとうございます。


湊さんに感謝しながらバイトを上がる数分前。


ずっと、サンドウィッチセットを食べていたあのお客さんたちがお会計に来た。


いつも私が上がった後に帰るのに。


いつもと違う動きに警戒しながら、お会計を済ませる。