お隣さんは裏アリ王子

あ、起きたみたい。


「おはよう」


「おはよ」


起きてから目が覚めるまで私はぎゅうっとさっきよりも強く抱きしめられる。


「ちょっと……」


それだけなら、もう慣れた。


「首は……だめ」


今日は、なぜか首に顔を埋められた。


水瀬君の息とか髪がくすぐったい。


「最近、抱きしめてもなんの反応もないからな」


そんなことを言って、平然としているのはもうおかしいと思う。


「顔真っ赤」


ふっと笑って水瀬君は、私よりも早くベッドから降りた。


「もう!」


一緒に暮らし始めてから、水瀬君おかしいよ。


なんか、甘いっていうか、やってることが恋人みたい。


しかも抵抗できないし。


「真奈、朝ご飯できたよ」