お隣さんは裏アリ王子

「お前、ここの家の鍵持ってねーじゃん。隣帰るか?いつ家に入ってこられてもおかしくねーぞ」


う。


「別にストーカーに何かされたいって言うなら別だけど」


なっ……。


「そんなこと、思うわけないじゃない!」


「じゃあ、いいな」


「はい……」


自分の発言が憎い。


それにあんなこと言われたら、否定するに決まってるじゃん。


「ずるい……」


「あ?」


「なんでもないです」


そう言うと水瀬君は、少し笑って私に背を向けると静かに寝息を立て始めた。


「おやすみ」


そうつぶやいて、水瀬君の隣で眠りについた。