お隣さんは裏アリ王子

「うん!」


「このバカ」


ボソッとそんなことを言った水瀬君の声はバッチリ届いてる。


「バカじゃないもん」


「はあ?バカだろ」


う……。


水瀬君のこの瞳、ダメなんだよなあ。


なんか、ドキッてして何も言えなくなる。


「うう、寝よ!」


話を変えて水瀬君が電気を消して、布団に潜り込む。


「なあ、ストーカーってどれくらいの頻度でされてんだ?」


「……毎日、下校の時が多い、です」


「なんで言わねーんだよ」


「だって、勘違いかもしれないし、ほっといたら落ち着くかなって」


「思いっきりエスカレートしてんじゃねーかよ」


「はい……」


「まあ、これから下校は俺と一緒だな」


「えっ?」


何を言い出すかと思ったら、また命を狙われそうなことを……。