「風邪ひかれたら困る」


そんなことを言われたら、なんとも言えなくて大人しく髪を乾かしてもらうことにした。


私の髪に触れる指が手のひらが、すごく温かい。


「ん。もう寝るか?」


「うん」


乾かし終わった水瀬君にそう答えた。


「じゃあ、ベッド使えよ」


「え?」


電気を切ってそう言った水瀬君に驚く。


「真奈、ソファで寝れねーだろ。俺は、別にいい」


「よくない。私もソファで寝れる」


「だめ。お前は、ベッドで寝ろよ。あ、歩けるか?」


そう言われ、私はいいことを思いついた。


「ううん」


首を横に振ると、水瀬君は私をお姫様抱っこして近くのベッドに乗せる。


「えいっ」