お隣さんは裏アリ王子

くしゃみをすると、水瀬君は笑った。


「ほら、くしゃみも出るようなとこにいつまでもいさせられるかよ。ほら、行くぞ」


拒み続ける私に嫌気が差したのか、おんぶのつもりだったのをお姫様抱っこに変えて、私を抱えた。


おんぶより、恥ずかしい……。


「真奈!」


体育館倉庫を出ると、紗里奈と如月君がいた。


「よかった、無事で……」


相当心配をかけたらしい。


今にも泣き出しそうな顔を紗里奈はしている。


「ごめんね、心配かけて」


「真奈は、悪くないよ。ほんと、あの人たち許せない」


さっきの水瀬君もそうだったけど、私を閉じ込めた犯人を知ってるみたいな口ぶり。


「ねえ、なんで私をここに閉じ込めた人、知ってるの?」