お隣さんは裏アリ王子

どれだけの時間が過ぎたんだろう、あたりが暗くなった。


日が落ちたんだ。


私、見つけてもらえるかな。


誰か、助けて……。


「真奈!」


カチャっと音がしたと思うと、すぐに私の名前を呼びながら誰かがドアを開けた。


水瀬君……。


「真奈、大丈夫か?」


「ぷはっ」


1番に口の中に詰められていたハンカチを取ってくれて、私は少しだけ呼吸が楽になった。


無言で縄もほどいてくれてる。


縛られてたとこは、赤く縄の跡がついていた。


「ひでーな。あいつら、絶対許さねぇ」


水瀬君は、苦虫を噛み潰したような顔でつぶやく。


「くしゅんっ」


安心して、一気に空気を吸ったせいでくしゃみが出た。


「出るか」


そう言われ、水瀬君が立ち上がる。


「あれっ?」