お隣さんは裏アリ王子

「真奈は、ずっとその人たちに怯えてた!多分、何かあったのよ。
警告か、何かがね。昨日、2人が一緒に帰ってるの私を見て、行動に移したんじゃないかしら」


嘘だろ。


じゃあ、俺のせいで真奈が危ない目に遭ってるのかよ。


「誰だよ。そいつら」


苛立ちを含ませた俺の声にも動揺せず、彼女は俺に会長の名前と見た目、クラスを告げた。


「行ってくる」


そうつぶやくと、走り出した。


3年生の階に行くと、ひとクラスだけ、声が響いてた。


「あの女、今頃反省してるかしら」


「ほんと水瀬君に近づくなんて、不躾なのよ」


「あの長い髪、引っ張ってやりたかったわ」


聞こえてくる悪口の断片的なものをかき集めると、真奈と全く一致した。