お隣さんは裏アリ王子

〜圭side〜


「斗真、水瀬!」


斗真と帰ろうと2人で廊下を歩いてると、遠くから呼ばれた。


「紗里奈、どうしたんだよ」


凄い勢いで走ってきた山城は、まくしたてるように言った。


「真奈がいなくなったの!どこにもいない。カバンはあるけど、靴はなかった!」


「……」


フリーズに近い。


真奈が、いない?


どういうことだよ。


あいつが……?


「水瀬、心当たりはないの?」


……あ。


「昨日、つけられてたんだ。まいたけど。もしかしたら、それ関係かもしれない」


「水瀬、あんたのファンクラブよ、それ」


「そんなもん、本当にあったのかよ」


吐き捨てるように言うと、山城は目を釣り上げて怒った。