お弁当箱を預かって水瀬君の家を出ると、外は雨だった。


「お弁当、明日は2人分かあ」


あ、どうやって渡そう。


まあ、朝渡せばいいよね。


そう思いながら次の日、お弁当を作った。


っていっても、定番メニューと水瀬君の好きなものを入れただけ。


でも、詰めるのに時間がかかって予想以上に遅い時間になってしまった。


遅すぎて紗里奈から電話がかかってきたくらい。


さすがに遅すぎて先に行っててもらった。


慌てて家を出て、インターホンを押すけど虚しく鳴り響くだけ。


しょうがない、学校で渡そう。


誰にも見られないように渡さなきゃ。


本当にあるらしいファンクラブの人たちに目をつけられちゃう。