ご飯を作るようになって一週間が経った。


バイトの日は、本当に遅くまで待っててくれてる。


「真奈、明日弁当作れ」


それを言われたのは、水瀬君の家で洗い物をしている時。


この命令口調にも馴染んできたなあ。


「え、どうしたの急に」


「明日学食やらねーんだと。今日急に言いやがって。嫌なのか?」


「ううん。作る」


そう言うと満足そうに笑った。


私がご飯を作るようになってからゴミ箱に菓子パンとかカップラーメンのゴミを見つけることがなくなった。


そして、学校と家でのギャップに驚かされる。


ほんと、二重人格じゃないかって思うくらい。


「じゃあ、また明日」


「ああ、弁当忘れんなよ」