お隣さんは裏アリ王子

「ほんと、なんでそんな警戒心ねーんだよ」


そう言ってそっぽを向いてしまった圭に不安がつのる。


「圭……」


「……」


お願い、嫌いにならないでよ……。


「圭、ごめんね」


恐る恐る圭に顔を押し付ける。


反応がないから不安だよ……。


「圭……大好き」


「……っ。愛してる」


やっと話してくれた喜びと言われた言葉の恥ずかしさに顔が上げられない。


「ほんと、ずるい。そんなこと言われたら、返事するしかねーじゃん」


圭の顔が見たい、でも今は目に涙がいっぱい溜まってるから顔が上げられない。


「ほら、顔あげろよ」


顔を両手で挟まれて強制的に顔を上げさせられる。


「泣くなよ。ごめん、怒って」


「ううん。私も、ごめん」


圭は私の涙を拭ってくれた。


あの頃と変わらない、優しい笑みを浮かべて。