これは、真奈たちが大学1年生の時のお話です。





「真奈ちゃん、一緒に飲み会行って欲しいです」


そう目の前で手を合わせているのは、大学に入ってからの新しい友達、三枝水葉(みえだみずは)ちゃん。


紗里奈とも圭とも如月君とも大学が別れて、誰にも心を開けずにいた私に声をかけてくれた子。


「私たちまだ未成年だよ?」


こんなことを聞く私は、真面目かな。


「飲み会っていっても名前だけだから、普通にみんなでご飯食べるだけだよ」


そう言われ、安心して日時と場所を聞いて、バイトが入ってないのを確認する。


「大丈夫そう。でも、圭に聞いてみるね」


「あっ、そっか。真奈ちゃん彼氏いるもんね。無理にとは言わないよ?」


「別に大丈夫だと思う」


圭も夜遅くなることあるし。


「そっか、ありがとう!」


そう言って笑った水葉ちゃんと別れて私は、電車に乗った。