「むしろ、少しでも期待する期間をくれてありがとう。じゃあね、これからもいい先輩でいるから」


こんな時まで湊さんは、優しい。


「はい」


それなのに、今でも私は水瀬君のことで頭がいっぱいなの。


このことを伝えたら、仲直りできるかなって。


そう思いながら、帰って水瀬君の家のインターホンを鳴らす。


返事がない。


しょうがないから、合鍵を使って中に入る。


昨日のご飯は、なくなってた。


置き手紙も。


貰ってきたパンをテーブルの上において、私は家を出た。