本人は、いない。


とりあえずご飯だけ作って、テーブルの上に置いて置き手紙をしておいた。


『食べたくなかったら、捨てていいよ。真奈』


って。


後ろ向きな文章だなって思ったけど、しょうがない。


今、水瀬君が何を思ってるのかわかんない。


食べてくれないのだって、迷惑なのだって覚悟の上。


帰ってくるまで待つのも申し訳なかったから、少しだけ部屋を片付けて家を出た。


鍵をかけて、自分の家に戻る。


「はあ」


ため息をつきながら、朝ごはんに食べてるパンを焼く。


もう、それだけでいい……。


次の日、バイトがあった。


相変わらずバイト先の風邪の流行は、おさまらないから今日も閉店までいる。