「行きたくねーのか?」


絶対そんな返事しないってわかってるのに不機嫌そうに聞いてくる。


それに、明日は日曜日。


「行く!行きたい!」


フリーズしてた頭が回り始めて私は、笑った。


「よし。どこ行きたい?」


どこ……。


「どこだろう?」


思わず疑問系で返すと、水瀬君は笑った。


「ふっ。じゃあ、水族館な」


水族館……。


「イルカショーみたい!」


「ああ」


楽しみだなあ。


「じゃ、前夜祭として泊まってくか?」


「うーん、準備時間かかると思うから、帰る」


「ふうん。せっかく襲ってやろうと思ったのに」


……。


じわっと、頰が熱くなった。


「帰る!」


そう言って立ち上がると水瀬君は笑っていた。