こんなこと言ってる自分が嫌で、話してることが虚しすぎて涙が出てくる。


「諦めようと、思ったのに……。なんで……」


その言葉を聞くと、水瀬君は驚いたように目を見開きそれをこっちが認識する前にふんわりと水瀬君の香りに包まれた。


「諦めるな……」


嘆くような、懇願するような声。


「なんでよ……」


抱きしめ返すことができない。


「好きだ」


えっ?


「だ、誰を……」


「真奈を」


「誰が……」


「俺が」


言葉が出てこない。


「俺は、真奈が好き」


「うん……うう」


やっと理解すると、止まりかけてた涙がまた出てくる。


「返事は?」


「好き……、水瀬君が好き」